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2009年08月21日

被害にあった家の共通点


なぜこの家の瓦が崩れてしまったのか?

町を走りながら考えてしまいます。

(被災された方には申し訳ありません。仕事柄ですのでご勘弁を。)


以前にも書きましたが、昔ながらのあまい施工が一番の原因だと思いますが、同じ施工でも崩れていない家もあります。


観察してわかることは、

平屋より2階建てのほうが弱い。(揺れ幅が大きくなるから?)

真四角の家より変形(L型など)の家のほうが弱い。(揺れの中心と強度の中心のずれ(偏芯率)が悪いから?)

同じ二階建てなら、総二階のほうが強い。(剛性が高い?)

店舗など、一階が大空間の二階建ての被害が大きい。(二階を支える耐力壁が足りない?)


ということは、今はやりの開放的な空間って地震に弱いってこと?


心配される方もいらっしゃるかもしれません。

確かに、設計上、耐力壁の計算がたいへんになります。

でも、一定の耐震基準をクリアしない限り建築許可がおりません。

今の建物は、開放的に見せても、要所に耐力壁を配置して偏芯率を高めているのでご安心ください。


それでも、屋根が軽いほうが有利になることは確かです。

重い(瓦)か軽い(カラーベスト、ガルバリウムなど)によって、耐震上の数値が3割程度変わってきます。


地震は、人に例えると、急に後ろから追突されたようなものです。

そのときに頭の上に重石が乗っていたら...

首がどうかなってしまいますよね。


やはり、屋根は軽いほうがいいのではないでしょうか。

地震の被害を目の当たりにして、以前にも増してそう思うようになりました。



おかげさまです。ありがとう。



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この記事へのコメント
私見ですが、考え方の一例として…
※長文となっています。申し訳ありません。


瓦を固定している力より大きな力が加われば、瓦は落ちる訳ですから…

2階建ての件
同一構造で同じ方向に同じ力を加えた場合であれば、平屋より2階建てのほうが落ちやすい。

L時構造(偏心)の件
地震の揺れ方向に対し、建屋の揺れ易い方向がどうだったか?
偶々一致した建屋が被害を受けたと思われます。
被害が出ている家の近隣の、古い2階建てでも、被害が無い所は沢山あります。


店舗の件
建築基準法を良く知りませんが、向かい合った面の剛性(例えば東西と南北)をあわせる事が基本と聞いたことがあります。
そうすると、剛性がある程度低くても、建築は可能な訳で…
基本的に民家より、左右方向が弱い建物が多いと予測されます。



頭が軽い方が良い件
同じ構造なら、頭が軽い方が耐震性は良い。
言い換えると、コストや土地の面積を抑えつつ、耐震性の高い住宅にするには、屋根を軽くする必要があると言う事ですね。
重厚な本瓦の家が欲しい場合は、それに見合った構造の筐体にすれば、全く問題無い。
その代わり、コストや敷地面積の制約を受ける事は避けられない。

我が家は中古住宅なので、耐震診断の結果を見て、ガルバに変更しましたが、雨漏りの件も含め、筐体の大幅な変更より安上がりな耐震対策だったので選択しました。
デザイン的にも、瓦が似合わない形に感じた事も一因ですが。


瓦のメリットは、重厚感・断熱性・メンテナンス性の良さ等、捨て難いものがあることは事実です。

本瓦に似合ったデザインの家(例えばお寺の本堂)がガルバだと、ちょっとがっかり。

あと、昔ながらの構造の建物の場合、大きな揺れが起こった時に、重いものを捨てて、筐体の被害を最小限にする、道理にかなった構造だという見方もあります。(台風の時も同じですね)。
まさに、肉は切らせるが、骨は断たれない構造ですね。


最近は色々な技術が入ってきて、昔の物が劣っていると思われがちですが、昔の思想は非常に科学的で、昨今の技術+昔の思想をミックスすると、もっと安価で快適な家が出来る可能性が隠されている事に気づいて、もっと良いものを生み出してくださいね。


昨今の記事を見て、ちょっとがっかりだったので、書き込みしました。

ヨシズだって、立派な外断熱では有りませんか???
ヨシズはいつから使われていたのでしょうか?


うーん、大分、酒がまわってきたので、最後の方は、キツメの文章になっているかもしれませんが、別にマジで怒っている訳ではないので、ご心配無く…
Posted by ma5 at 2009年08月21日 20:55
自分で書いた文章を読んでいて、ふと気付いた点。

「大きな揺れが起こった時に、重いものを捨てて、筐体の被害を最小限にする、道理にかなった構造」について、追加の理屈。

重いものを捨てる=重量が変わる 
共振周波数が変わると言う事です。

たとえば、建造物の共振が5Hzの場合、5Hzの震度6の地震が20秒続くと、その家が倒壊してしまうとします。

①の家はガルバ屋根(屋根は落ちない)。
②の家は瓦屋根(屋根がお落ちる)。
と仮定して、5Hzで30秒間の地震が発生した場合を想定。

①の家は、屋根は落ちませんでしたが、20秒以上続いた地震によって、筐体が大きな被害を受けることになります。

②は5秒後(例えばですが)に瓦が全て落ちてしまいましたが、その代わり軽くなった建物の共振は6Hzになり、5Hzで震度6の地震なら40秒耐えることができる構造体に変化しました。
結局、5Hzの震度6の30秒間の地震では、筐体は被害を受けず、瓦の吹き替えだけで事無きを得ました。


もし、経験則であえて落ちやすい構造を選んでいたとすれば、筐体の強度を確保する事が出来なかった時代には、画期的な技術であったかもしれません。
昔の人は、長年の経験の蓄積で、筐体を守る=最もメンテナンが容易で、ランニングコストが低い方法を作り上げたのかも知れませんね。


もちろん、現代でも、「想定以上の地震」や、たまたまその建造物の共振に近い周波数の地震が発生した場合、筐体が大きな被害意を受ける事は間違いありません。
そのための保険として、大きな被害が出る周波数と異なった周波数の建物にするために、ラバーダンパーやスライド機構を基礎組込んだ物もありますね。


また、共振は変えられませんが、減衰を付けて振幅を抑えるダンパーを筋交いにした構造の家もありますね。


奈良の五重の塔が、芯柱をフローティング構造として、大きな被害を出す地震の周波数よりも共振周波数が低い建物にしている事も驚きでしたが、もし町大工のレベルで、そこまで考えた結果が日本家屋だとしたら、地震大国&火災大国であった日本で、日本家屋は非常に理にかなった構造といえるのではないでしょうか?
経験=統計は、最も基本的な科学的な実験手法ですよね。


瓦が落ちたら、雨漏りする?
被災後、瓦を葺き替えるまでの数日間、野路板と天井板を通り抜けて落ちてくる雨を我慢するのと、筐体が駄目になって、野宿するのと、どちらが良いか?


私は、今ある材料で最善の方法を選んだ、日本家屋の科学に驚愕します。


もちろん、材料や工法の技術が進んだ現代で同じ事を行うのは、無用なコスト増を招く原因なので、施主の要望にマッチした施工が行える事が重要ですが…
Posted by ma5 at 2009年08月21日 22:59
長文コメントありがとうございます。

応援していただいている気持ちが伝わってきました。

それと、振動に関する見識の高さも。

今度ゆっくりお酒を飲みながらでもお話ししたいです。

『昔の思想は非常に科学的で、昨今の技術+昔の思想をミックスすると、もっと安価で快適な家が出来る可能性が隠されている事』

私もそう思います。

ヨシズの屋根だって理にかなった外断熱ですよね。


でも、今回の地震で、瓦の危険性を肌で感じました。

『大きな地震のときに、瓦が落ちることで、建物のダメージを軽くする。』

私も、先人の知恵だと思っていました。

でも、歩道の上に落ちている瓦を、ヘルメットをかぶりながら片付けていて、人命を優先するのなら、瓦は落ちてはいけないと思いました。


また、コメントくださいね。
Posted by wingchairwingchair at 2009年08月22日 08:37
安全という観点で見ると

瓦が落ちることを前提としてレイアウトされていない家屋、できない家屋について、瓦が落ちてはいけないということですよね。
同感です。

瓦は必ず落ちると仮定すると…
①代替素材に変更する(落下防止)。
②落下しても人に危害を加えない構造やレイアウトに変更する。
 歩道に軒が近い場合は歩道側への防護壁やネットの設置や木を植えるなどで飛散防止。
 土地に余裕がある場合は、瓦が落下するエリアに人が入らないレイアウトにするとか、防護軒を設置するなど…

安全以外の性能〔外観、断熱、遮音(防音)、耐火、防水、防風、コスト、etc.〕、いずれにしても、100%という物は有りませんね。
考え出すと、色々思いついて楽しいですが、時代や周囲の状況によって、ニーズによって、ベストな選択は難しいですね。


私ですか?
新築を想定した場合でも、勿論①を選びますよ。
ただ、屋根断熱を選択しなかったのは失敗でした…
天井裏での長時間の作業は出来そうも有りません…
Posted by ma5 at 2009年08月22日 10:55
地震の直後だったこともあって、『耐震性』だけから瓦を語っていました。

おっしゃるとおり、屋根材には、それ以外の性能も要求されますよね。

ちょっとここで、瓦のメリットにもふれてみます。

『美観』 いいですね~。

『断熱』 これもまあまあ。蓄熱するのがちょっと欠点かな。

『遮音(防音)』抜群です。

『耐火』も抜群。

『防水』 はイマイチかな。

『防風』は、重いだけあって良さそうですが、緊結されていないのが不安。

というわけで、冷静に考えると、耐震性以外はそれほど悪い材料じゃないんですね。


でも、『耐震性』が最重要だということを、今回の地震で思い知らされたので..
Posted by wingchairwingchair at 2009年08月23日 09:01
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